三井物産と医療情報分野において新会社設立

株式会社リクルート（本社：東京都中央区、代表取締役社長 兼 CEO：柏木 斉、以下「リクルート」）と三井物産株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：槍田 松瑩、以下「三井物産」）は、7月28日、インターネットを利用した医療情報サービスを行う新会社を共同設立することについて基本合意いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。

現在、日本の医療をめぐる状況は大きな転換期を迎えています。少子高齢化の進展、医療技術の進歩、患者本位の医療サービスの拡充など、医療環境は急速に変化しつつあります。
そのような状況のもと、引き続き世界に誇る水準の高い医療サービスを維持・発展させるためには、幅広い見地から適切かつ迅速な対応が重要となっております。特に、医療領域における患者と医師・医療機関との間にある情報の非対称性は大きな課題です。個人・患者サイドに対する幅広い医療情報の提供は、積極的かつ早急に取り組むべき我々の課題と認識しております。
医療情報の提供は、これまでも行政、医療機関、患者支援団体を中心に様々な試みが行われて参りました。しかし、個人・患者サイドの医療情報ニーズは益々高まっており、我々がノウハウを活かして参入することにより、多様な医療情報ニーズに応えることが可能になるものと考えております。また、医療機関サイドにも我々のサービスを活用していただくことで、より一層質の高い患者本位の医療システムを実現する一助となることも目指しております。

リクルートは従来、ユーザーニーズに応じた多様な情報サービスを提供して参りました。進学、就職、結婚、住宅選びなどライフステージごとの情報サービスに加え、近年では飲食など日常消費領域における情報サービスも展開しております。

今回の新会社設立は、リクルートにとって新たな領域への挑戦を意味しています。リクルートは、情報サービス分野における「カスタマーエージェント」たることを目指しており、医療情報サービス領域への参入も、その一環として決定したものです。

三井物産は昨年4月にコンシューマーサービス事業本部を発足させ、消費者起点の新たなサービス事業構築を推進しています。取分け、医療事業領域は注力分野であり、かかりつけ医と患者を繋ぐクリニックモール事業の（株）メディヴァンス､調剤薬局の業務効率化を進める（株）エムエムネット、遠隔画像診断事業の（株）ドクターネット等の立上げを通じ、患者視点の新たなサービス開発に積極的に取組んでいます。

また、昨年、「家庭の医学」を発行している保健同人社に出資、同社の優良な情報コンテンツと医療機関とのネットワークを活用して予防医療、健康増進を目的とした社会性の高い事業展開も拡大中です。今般、リクルート社の情報サービス分野での展開力と医療業界の川下分野に注力する三井物産のノウハウを統合することで、「優良な医療情報をより広く患者の元に届けることが可能」と判断して新会社の設立に合意したものです。

新会社のサービス内容は、これから詳細を検討して参りますが、当初は多様なニーズを持つ個人・患者サイドと、地域の医療機関（病院・診療所）を適切にマッチングすることを目指し、最終的には「あなたとあなたの大切な家族が健康に暮らすために」必要な医療関連情報を総合的に提供すること（医療健康ポータル）を通じて、個人・患者のエージェントとして必要不可欠な存在になりたいと考えております。

新会社では、 リクルートのWeb事業・商品開発・営業のノウハウ、三井物産の本領域におけるネットワーク・リスクマネジメントのノウハウを活かしつつ、保健同人社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：大渡肇、リクルート33.5%出資予定）とも業務提携することで医療領域に関する深い知見を付加し、本事業を実現していく予定です。本事業では、個人・患者サイドに対して『医療機関検索サービス』、『健康相談サービス』、『疾病情報データベース』、『薬剤情報データベース』などを提供し、一般診療所・病院・製薬メーカー・食品メーカーなどに対して情報提供を支援するサービス（マーケティングサービス）を行います。2005年12月には、Webサイトを立ち上げ、基本機能、基本情報を提供する予定です。また、2006年末頃までに月間利用者100万人を見込んでおります。

• 『医療機関検索サービス』
• 『健康相談サービス』
• 『疾病情報データベース』
• 『薬剤情報データベース』

将来的には、幅広い個人・患者（究極的に日本国民全員）のニーズに対応した優良な医療情報提供サービスにより患者と医療業界をより近づけることで、日本の医療システム進化の一助を担っていきたいと考えております。