リスクと機会
効果的なリスクマネジメントが事業成長の基盤

出木場 久征
取締役 兼 専務執行役員 兼 CSO 兼 CRO 兼COO 兼 HRテクノロジーSBU SBU長
当社がグローバル規模で進化を続けるにあたり、リスクマネジメントやコンプライアンスは、その基盤となる欠かせない領域だと考えています。変化の激しいインターネットビジネス環境においては、事業の成長とリスクマネジメントを両立しながら、真摯に取り組んでいくことが重要です。当社では、テクノロジーや事業環境の変化を先取りし、スピーディな事業展開を行うことができるよう、意思決定の多くをSBUに権限委譲しています。このメリットを最大限享受するために、各SBUにもリスクマネジメント委員会を設置するなどの体制を整えることで、現場におけるリスクマネジメントの実効性を高める対策を取っています。
さまざまなリスクの中でも、個人情報保護を含むセキュリティマネジメントは、最重要リスクのひとつであると捉えています。特に、当社が拡大を目指している人材マッチング事業におけるデータの取り扱いは、非常にセンシティブな領域です。各国・地域における法規制が絶えず変化・進化していくなか、私たちがこの動きにより高い感度を持ち、リスクマネジメントのレベルを上げていく必要性があると考えています。決して簡単なことではありませんが、人材マッチング事業におけるグローバルリーダーを目指すにあたり、この難しい挑戦に取り組んでいきます。
マシンラーニングなどのテクノロジーの進化や、それに伴い世界中の労働市場で起きている新しい変化は、当社の取り組み次第でリスクにも機会にもなり得ます。激しい変化のなかで、常に個人ユーザーと企業クライアントの双方にとって本当に意味のある「Opportunities(機会)」を提供し続けるためには、実効性のある着実なリスクマネジメントが鍵となります。
そのために、例えば、サイバーセキュリティ対策プロジェクトにこの分野のテクノロジーに詳しいエンジニアが加わるなどの取り組みを進めています。
今後は、各種セキュリティ対策に関する高度なスキル・専門知識を持つ人材の採用・確保に注力するだけでなく、ガバナンスの見直しなど、リスクマネジメント体制のさらなる強化に取り組んでいきます。
ビジネスはもちろんのこと、リスクマネジメントやコンプライアンス活動、そして新たな機会の追求においても、テクノロジーを活用することで、より効率的かつ効果的な取り組みが可能になるのではないかと考えています。世界の変化を迅速に見極めながら、リクルートグループらしいリスクマネジメントのあり方を追求していきます。