人材派遣SBU
SBU長インタビュー
生産性向上を重視しながら社会へのコミットメントを果たす

ロブ・ザンドベルヘン(Rob Zandbergen)
常務執行役員 人材派遣SBU担当 兼 Recruit Global Staffing B.V. CEO
リクルートグループの人材派遣事業は、これまで数十年にわたり構築してきたさまざまなステークホルダーとの強固な関係を基盤とした独自のポジションを築き、求職者と企業クライアント双方のニーズを満たすことを目指して事業展開してきました。
今後の成長のために重視していることは、従業員への投資と生産性の向上です。クライアント企業とそこで働く派遣スタッフが、より良い成果をあげるための重要な要素であると考えています。これからの市場にふさわしい事業のあり方に照らし、継続的な業務改善や未来を見据えた基盤構築に取り組み、いかなる時代においてもステークホルダーおよび社会全体に付加価値を提供できるよう、鋭意努めています。
私たちの事業における優先事項は、生産性の改善です。私たち独自の経営哲学である「ユニット経営」に基づいて、各ローカル市場における強固なポジションを活用しながら、売上収益などの「量」ではなく利益や利益率などの「生み出す価値」を明確に重視する経営手法を適用し、生産性の向上に取り組んでいます。私たちは、この手法を既存事業だけではなく、新たな事業の開拓の指針にもしています。ユニット経営は、実践する担当者にとっては自身の自由裁量が活かされる手法であり、個々の努力の積み重ねが組織の競争力強化や市場ニーズへの変化対応力を柔軟にする仕組みとして、私たちの提供価値の基盤となっています。
また、グローバル企業として、社会全般に貢献することも私たちの優先事項であると考えています。「Opportunities for Life. -まだ、ここにない、出会い。」をミッションとするリクルートグループにおいては、私たちの介在がもたらすマッチングが、人々にとって安全かつ、幸せややりがいを感じながら成長できる職場との「出会い」を作りだすものでなければなりません。そのためには、人権尊重はもちろんのこと、人々が人種、性別、宗教、社会的地位またはその他の特性にかかわらず、それぞれが望む成功を収められるよう、積極的に世の中に働きかけていくことも私たちの果たすべき責任であると認識しています。
私たちの仕事の意義は、仕事を探している何千何万もの方々、そのご家族や友人ひいてはコミュニティにまで貢献できるというところにあると考えています。時に、市場の競争原理から取り残され、仕事探しが難しい人々がいることを忘れてはなりません。私たちはこのような状況を変え得るポジションにあり、またそれが役割でもあります。そのため、例えば移民、障がい者、退役軍人、マイノリティグループの求職者などに対して、就労機会を提供する支援を積極的に行っています。今後の人材派遣事業の成功は、私たちがいかに社会へのコミットメントを果たしていくかにかかっているということを忘れずに、これからも事業に邁進していきます。
「ユニット経営」による戦略実行
人材派遣SBUは、世界のさまざまな国・地域に事業拠点を有するグローバルなSBUです。人材派遣事業の本質は個々のローカル市場のニーズに合ったサービスの提供であり、成功の重要なカギを握るのは地域特性に即したローカリゼーションです。その事実を踏まえて、人材派遣SBUではユニット経営を導入し、現地の顧客ニーズや市場状況に精通した個々の組織が、それぞれの深い知見に基づき柔軟に意思決定を行える経営スタイルを導入しています。
ユニット経営では、サービスを提供する市場の特性に合わせて、事業組織を小さなユニットに分割し、各ユニットがひとつの会社のように運営し、ユニット長には必要な決定権が委譲されます。ユニットごとの自由裁量を促すことで責任者の当事者意識を向上させ、それがよりスピーディで質の高い意思決定を促進するという仕組みです。これにより、各ユニットが市場に最適な戦略を立案・実行し、利益の最大化を実現します。
また、各ユニットの実行施策はより迅速かつシンプルに全体戦略とすり合わせられます。さらには、どのユニットにおいても最大限の顧客価値創出が実現できるよう、グローバル共通の課題とその対策が分類され、SBU内で共有されています。各ユニットが着実にこれを実行することで、生産性と収益性の向上につながり、また、SBU全体での生産性向上の実現に寄与しています。
ユニット経営
