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北村 吉弘:メディア&ソリューション事業(メディア&ソリューションSBU)SBU長メッセージ FY2018

このインタビューは2017年統合報告書(2017年10月末発刊)に掲載されたものです。

テクノロジーを活用し、新たな価値を提供する

ロボットや自動運転の実用化、AIやIoTなどが大きな注目を集めています。このようなテクノロジーの進化が引き起こす世の中の急激な変化を、第4次産業革命と位置付ける見方もあります。私たちの重要な事業基盤であるインターネットやWEBサービスも、そうした社会やビジネスの変化を支えるインフラとして発展を続けています。その変化の速さは「重力」のように誰も抗うことができません。そればかりか現実を追い抜いてしまうほどの勢いで加速しています。

これまでは解決すべき課題やビジネスニーズという現実があり、そこにインターネットやサービスを活用するケースが多かったのですが、昨今はまず先にテクノロジーがあり、それが産業そのものを変化させたり、新たな産業を生み出したりするという順序の逆転が起きていると私は理解しています。

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北村 吉弘 常務執行役員 兼 メディア&ソリューションSBU SBU長 兼 株式会社リクルートテクノロジーズ代表取締役社長

最近、AIが人の雇用を奪うといったテクノロジーのネガティブな側面がしばしば報道されていますが、その考え方には疑問があります。むしろ、人が自分の能力を発揮することにより多くの時間をかけ、機械が得意とする分野を徹底的に自動化していく。そのためにこそ、こうしたテクノロジーが活用できるのではないでしょうか。一言で言えば、人とテクノロジーが仕事を分担する。それによって生まれる価値を社会に提供していきたいと考えています。

私たちが実践するリボンモデル、例えばユーザー自身がまだ気付いていない不安というマイナスと、クライアント企業が抱えているけれど見えていない問題点というマイナスを掛け合わせることでプラスに転化し、社会に多様な機会を生み出す。この方法論が第4次産業革命と言われる時代においてますます大きな力を発揮すると私は確信しています。

可視化と最適化であらゆる業界にアプローチ

日本の市場はこれから労働力人口が減っていくと言われています。それは抗うことのできない事実ですが、その対処の仕方は今後の日本の競争力を高める上での試金石になると考えています。そのためにもテクノロジーを駆使して、どの産業においても生産性を上げていくことに、ビジネスユニットとして挑戦していきます。

当社グループでは、飲食や美容などの業界向けに「Airレジ」というPOSレジのソリューションを提供しています。これまでアナログで管理していたものをデジタル化することによって、営業終了後の面倒なレジ締め作業が不要になり、また、自動集計された売上データや商品別の売れ筋データをもとに翌日以降の仕入などを的確に判断できます。その結果、売上機会や食材のロスを少なくして収益の最大化を図ることができます。また、従来の面倒なレジ締め作業などが「やらなくていいこと」になり、その時間を、例えばSNSの活用など「やらなければならないこと」に当てることができるため、さらなる集客や売上アップにもつながっていきます。つまり「やらなくていいこと」が増えるほど大きな価値が生まれるのです。

私たちのビジネスユニットが立ち上がって最初に行ったことは、「やらなくていいことが増える」という価値を飲食・美容以外の市場に展開したらどうなるかのリサーチでした。例えば、どの業界でもアルバイトのシフト管理には苦労しているのではないでしょうか。希望のシフトにエントリーしたのに、ほかの人と重複していたため「もっと働きたいのに働けない」シフトカットという現象や、シフトが埋まらず「もっと人手が欲しいのに集まらない」需給ギャップをデジタル化で解消していくことができると考えています。

デジタルの力は、今まで見えなかったものを可視化します。それだけでなく、見えたものを最適化していくことも容易です。この可視化と最適化をキーワードに、全ての産業やビジネスプロセスに対してアプローチしていくことを目指します。

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一人ひとりの強みを束ねて競争優位性を築いていく

私たちの競争優位性の源泉は、社員一人ひとりの「圧倒的な当事者意識」です。ただし、それは最初からあるわけではないのです。人は、強い好奇心を持って何かに取り組むとき、自ずと一生懸命になります。当事者意識は、そのとき初めて生まれるものだと思います。

入社したばかりの社員がいきなり、市場やビジネスに対する好奇心を持とうと言われても、スケールが大きすぎて無理でしょう。それよりも、まず目の前にいるお客さま、ユーザー、クライアントといった個人のレベルで「この人が喜んでくれるのは、どんなことだろう」と考えることから、相手に対する好奇心や貢献したいという熱意が生まれ、それが当事者意識につながるのです。ちなみに私のパワーの源泉は、誰よりも強い好奇心だと自負しています。目の前に困難な課題があると、謎解きのようにワクワクする。そんな好奇心というエンジンを大事にしたいのです。

また、社内で何かを新しく始めよう、あるいは今までにない方法を試してみようとするとき、大抵「できない」とか「無理だ」などの否定的な意見が出ます。それは、最初から高い目標を掲げているからなのですが、それよりもまずは、この否定の壁をちょっと乗り越えてみる、そんな小さな挑戦でいいから始めようと呼びかけています。以前はビジネスユニットの人材開発委員会で社員一人ひとりの「課題をどう克服するか」について議論していましたが、今では「強みをどう伸ばすか」という議論だけに集中しています。人を活かそうと思ったら、好奇心を刺激したり、小さな挑戦を促したりすることで、その人なりの強みを見つける。そうした社員一人ひとりの強みが集積された結果、企業の競争優位性も築かれていく。この方針の下でさらなる競争力の底上げを図っていきます。

北村 吉弘

常務執行役員兼 メディア&ソリューションSBU SBU長兼株式会社リクルートテクノロジーズ代表取締役社長

1997年4月
株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社
2009年4月
ブライダルカンパニー カンパニーオフィサー
2010年4月
美容情報カンパニー カンパニー長
2010年10月
美容情報カンパニー カンパニー長 兼 CAPカンパニーポンパレ事業推進室 推進室長
※CAP:カスタマーアクションプラットフォーム=旅行・飲食・美容・学びなどの日常消費領域
2011年4月
CAPカンパニー美容ディビジョン ディビジョン長
2012年10月
株式会社リクルートライフスタイル 執行役員
2013年4月
株式会社リクルートホールディングス 執行役員
株式会社リクルートライフスタイル 代表取締役社長
2015年4月
株式会社リクルートホールディングス 常務執行役員(現任)
2016年4月
メディア&ソリューションSBU SBU長(現任)
株式会社リクルートテクノロジーズ 代表取締役社長(現任)

2017年10月25日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。