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2021年3月期 第1四半期決算発表

2020年08月26日

本日(2020年08月26日)、リクルートホールディングスは2021年3月期 第1四半期の決算発表を行いました。

1. 2021年3月期 第1四半期 連結業績ハイライト

売上収益20.0%減の4,754億円、調整後EBITDA 38.8%減の534億円、調整後EPS 47.5%減の17.49円

  • 営業利益は、減収及びその他の営業費用98億円の計上により大幅減益。その他の営業費用は、新型コロナウイルス感染症対策により追加で発生した費用や子会社売却損等。

  • 販売費及び一般管理費は広告宣伝費を中心とするマーケティング費用の削減や販売手数料の減少により、前年同期比440億円減少

(十億円)

2020年3月期 2021年3月期
Q1実績 Q1実績 増減率
売上収益 594.4 475.4 △20.0%
調整後EBITDA 87.3 53.4 △38.8%
調整後EBITDAマージン 14.7% 11.2% -
営業利益 71.2 26.6 △62.6%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 59.3 22.3 △62.4%
調整後EPS(円) 33.29 17.49 △47.5%

2. 2021年3月期 第1四半期 セグメント業績ハイライト

HRテクノロジー:

  • 売上収益は27.5%減。米ドルベース売上は25.8%減*¹。有料求人広告利用の減少が主な要因。また、Indeed及びGlassdoorの採用ソリューション機能への需要も減少。

  • 売上収益の減少に伴い、調整後EBITDAは59.4%減、調整後EBITDAマージンは10.6%(前第1四半期18.9%)。

  • 2020年3月以降、当第1四半期を通じて、マーケティング投資の抑制や新規採用を停止。

*1 報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。

メディア&ソリューション:

  • 売上収益は29.1%減。販促領域及び人材領域の両領域共に減収。

  • 売上収益の減少に伴い、調整後EBITDAは45.4%減、調整後EBITDAマージンは20.6%(前第1四半期26.7%)。

  • マーケティング投資の適切な抑制等、迅速且つ柔軟なコスト管理と同時に、企業クライアントの現在及び将来の広告出稿や採用活動再開の需要獲得に注力。

人材派遣:

  • 売上収益は12.3%減(為替影響除きは10.3%減)となり、国内派遣は5.9%増、海外派遣は26.6%減(為替影響除きは23.0%減)。

  • 調整後EBITDAは0.2%増(国内派遣44.7%増、海外派遣64.8%減)。調整後EBITDAマージンは7.2%。

  • 国内派遣領域の調整後EBITDAマージンは11.7%(前第1四半期8.5%)。営業日数が前年同期比2日多かったこと及び2020年4月1日からの同一労働同一賃金の施行に伴う請求単価の上昇等により増収増益。

  • 海外派遣領域の調整後EBITDAマージンは2.2%(前第1四半期4.6%)。企業クライアントの事業運営に制約が生じたことや先行きの不透明感により派遣スタッフに対する需要が大幅に減少したこと、並びに為替のマイナス影響により減収減益。従来から取り組んでいるコスト管理を継続することで、調整後EBITDAマージンの確保に注力。

売上収益

(十億円)

2020年3月期 2021年3月期
Q1実績 Q1実績 増減率
連結売上収益*² 594.4 475.4 △20.0%
HR テクノロジー 102.1 74.1 △27.5%
【参考】(百万米ドル)
米ドルベース売上*¹
928 689 △25.8%
メディア&ソリューション 187.6 132.9 △29.1%
  販促 105.7 77.1 △27.1%
    住宅 26.7 24.9 △6.6%
    美容 19.3 17.4 △9.7%
    結婚 13.2 7.1 △46.0%
    旅行 17.5 6.0 △65.3%
    飲食 9.5 1.7 △81.3%
    その他 19.1 19.5 +2.1%
  人材 81.1 55.1 △32.1%
    国内人材募集 71.9 49.1 △31.7%
    その他 9.1 5.9 △34.9%
  全社/消去 0.7 0.7 △6.0%
人材派遣 312.5 274.2 △12.3%
    国内派遣 137.7 145.8 +5.9%
    海外派遣 174.8 128.4 △26.6%
全社/消去 (8.0) (5.8) -

調整後EBITDA

(十億円)

2020年3月期 2021年3月期
Q1実績 Q1実績 増減率
連結調整後EBITDA*² 87.3 53.4 △38.8%
HR テクノロジー 19.3 7.8 △59.4%
メディア&ソリューション 50.1 27.3 △45.4%
  販促 30.8 17.2 △44.1%
  人材 23.5 14.9 △36.6%
 全社/消去 (4.2) (4.7) -
人材派遣 19.8 19.8 +0.2%
  国内派遣 11.7 17.0 +44.7%
  海外派遣 8.0 2.8 △64.8%
全社/消去 (1.9) (1.6) -

調整後EBITDAマージン
連結調整後EBITDAマージン 14.7% 11.2% -
HR テクノロジー 18.9% 10.6% -
メディア&ソリューション 26.7% 20.6% -
  販促 29.1% 22.3% -
  人材 29.0% 27.1% -
人材派遣 6.3% 7.2% -
  国内派遣 8.5% 11.7% -
  海外派遣 4.6% 2.2% -

*1 報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。
*2 「全社/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。

3. 2021年3月期 連結業績予想

2021年3月期の連結業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社事業に及ぼす影響の合理的な見積りが現段階では困難なことから未定とします。当該影響を合理的に分析し、当社として合理的な業績予想が可能になった時点で、2021年3月期通期の連結業績見通しを開示します。

4. 直近の状況

2020年7月の連結売上収益は6月を上回りましたが、前年同月比約15%減となり、6月の減収率を下回りました。

2020年7月の売上収益の前年同月比は、HRテクノロジー事業が米ドルベースで約7%減、メディア&ソリューション事業は約26%減、人材派遣事業は約10%減。

各国により状況は異なりますが、ロックダウンの継続や再開の可能性があり、今後の経済の見通しは未だ不透明であることから、新型コロナウイルス感染症の拡大は第2四半期以降の業績にも相応の影響を及ぼすと考えています。

(注)7月の連結売上収益は未監査の月次管理会計数値、7月の各事業の売上及び売上収益は為替影響控除後の未監査の月次管理会計数値であるため、共に連結決算数値に含まれるIFRSに従った比較可能な財務数値とは異なります。

5.FAQ

2021年3月期 連結業績見通し

Q1:
2021年3月期連結業績見通し及び配当予想は未定ということだが、今後の見通しはまだ不透明か?

A1:
当第1四半期の売上収益及び調整後EBITDAはそれぞれ前年同期比20.0%減、38.8%減と新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を大きく受けました。2020年7月の連結売上収益*¹ は6月を上回ったものの、前年同月比の減収率は6月より低い約15%となりました。各国でロックダウンの継続や再開の可能性があること等から、今後の経済の見通しは未だ不透明です。2021年3月期連結業績見通し及び配当予想は、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループ事業に及ぼす影響の合理的な見積りが可能になった時点で開示します。

*1 未監査の月次管理会計数値であり連結決算数値に含まれるIFRSに従った比較可能な財務数値とは異なります。


連結業績

Q2:
事業にとって厳しい経済環境が続いているが、販売費及び一般管理費のコントロールは進んでいるか?

A2:
販売費及び一般管理費は前年同期比17.8%減となり、440億円減少しました。その内、広告宣伝費は前年同期を188億円下回る161億円となり、HRテクノロジー事業とメディア&ソリューション事業にて、迅速に広告宣伝費を削減しました。その他、プロモーション費用等を含む販売促進費の削減や、売上収益連動で発生する販売手数料の減少が寄与しています。今後も費用のコントロールに努めますが、事業環境の改善を見越した広告宣伝費や、中長期戦略に基づく投資は積極的に実施していきます。


Q3:
売上収益が前年同期比20.0%の減収となったのに対して、営業利益が62.6%の減益と大幅減益になった理由は?

A3:
HRテクノロジー及びメディア&ソリューション事業が減益になったことに加え、その他の営業費用が前年同期を81億円上回る98億円計上したことによるものです。その他の営業費用には、35億円の新型コロナウイルス感染症対応により追加で発生したコストや、31億円の海外販促分野のTreatwellを運営するHotspring Ventures Limitedの事業売却損が含まれます。Treatwellは、2020年3月期第4四半期に事業戦略を変更し継続保有する予定でしたが、その後Treatwellの将来の事業展開により適した事業会社から買収のご提案を頂いたことから、同事業の売却が適切と判断し、本年6月に実行しました。


HRテクノロジー事業

Q4:
新型コロナウイルスの影響で個人ユーザー数が大幅に減少したとのことだが、失業率が高くなれば求職者である個人ユーザー数は増加するのが自然ではないか?

A4:
新型コロナウイルス感染症の発現以降に失業した個人はオンライン上で積極的な求職活動を行う傾向にある一方で、全体で見ると、新型コロナウイルス感染症の影響の受けて、個人ユーザー数は減少しました。

この要因としては、第一に、多くの求職者が健康面の懸念により求職活動や通勤に対して慎重になったためです。また、Indeed及びGlassdoorは就業中に、より条件の良い転職の機会を探す求職者にも活用されていますが、このような求職者が、経済環境が不透明な現状では転職に対して慎重になっていると考えられるためです。加えて、失業給付を受けている求職者が、短期的に転職活動を控えたことも、個人ユーザー数減少の要因となりました。

規制が解除され採用活動が再開されるにつれ、Indeedの7月の月間ユニークビジター数は、新型コロナウイルス感染症発現前の水準まで回復しました。しかし、健康面や経済面での環境が悪化するとユニークビジター数が再び減少傾向に転じる可能性があるため、現状の改善トレンドに対しては慎重な見方を変えていません。


Q5:
新型コロナウイルスの影響を受けて、Indeed.comに掲載されている求人広告数にはどのような動きがあったか?

A5:
Indeedは、自社ウェブサイトであるIndeed Hiring Lab(
https://www.hiringlab.org/外部サイトへ)にて、Indeedが一定のシェアを持つ国の求人市場動向等について情報発信を行っています。Indeed Hiring Labが分析するデータは、有料及び無料の求人広告を含んでおり、売上には直結しません。

Indeed.com上の米国の求人広告数は、Indeed Hiring Lab上の情報(2020年8月25日付)に基づくと、3月後半から減少トレンドとなり、2020年8月26日時点においては、5月1日が底となっています。

2019年及び2020年の2月1日を起点として、求人広告数のトレンドを比較すると、2020年月5月1日までの7日間移動平均の成長率は前年同期比39.3%減少しました。しかし、それ以降は徐々に回復し、2020年8月21日までの7日間移動平均の成長率は前年同期比20.8%の減少となりました。

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Q6:
コスト管理の観点で競合他社の中には大幅な人員削減を行った企業があるようだが、IndeedやGlassdoorも同様の施策を講じたのか?

A6:
Indeedは、従業員の人員削減は行っておらず、現時点でその予定はありません。これは、中長期戦略の遂行を見据えているためであり、また、経済が回復し採用活動が再開される際に、最も適した状態で求職者や求人企業をサポートするためです。

その一方で2021年3月期第1四半期は、マーケティング投資の抑制や新規採用の停止によりコスト管理を徹底しました。

なお、Glassdoorにおいては当第1四半期において一部人員削減を行いましたが、これは今後Indeedとの連携をさらに加速させていくにあたっての戦略的な判断によるものです。


メディア&ソリューション事業

Q7:
販促領域の当第1四半期業績は、新型コロナウイルス感染症拡大による業績影響を大きく受けたようだが、緊急事態宣言解除以降に回復の兆しは見えてきたか?

A7:
緊急事態宣言解除後、特に美容の分野では個人の消費に回復が見られました。これを受けて、広告掲載を再開する企業クライアント数は底を打った後に増加に転じました。住宅では新型コロナウイルス感染症の拡大状況下でも、情報収集等個人ユーザーのアクションが活発だったことを背景に、広告出稿の減少は他分野と比較して軽微でした。住宅相談カウンター等、緊急事態宣言中に店舗を閉じたサービスも、緊急事態宣言解除後は個人ユーザーによる利用の回復を確認しています。

業績影響の大きかった結婚、旅行、飲食分野は、日本政府による官民一体型の消費喚起キャンペーン「Go Toキャンペーン」等もあり、個人の需要が戻ってきてはいるものの、いずれの分野においても、大人数が一同に会するパーティー形式の敬遠、旅行の自粛、飲食店の営業時間の短縮や席数の間引き等、従来通りの事業運営ができない状態が続いており、企業クライアントの経営環境は引き続き厳しい状況です。

企業クライアントの広告掲載数が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復するには時間を要すると想定しています。


Q8:
人材領域の当第1四半期業績は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を大きく受けているようだが、調整後EBITDAマージンは27.1%と前年同期比の下落幅が限定的だった理由は?今後も業績影響が続く見込みか?

A8:
当第1四半期では、マーケティング投資の抑制等コスト管理を行ったことに加え、減収に伴い販売手数料が減少したことで、27.1%の調整後EBITDAマージンとなりました。

また、求人広告サービスにおける売上収益と販売手数料の認識タイミングの違いが、調整後EBITDAマージンに影響しています。求人広告サービスでは、広告掲載期間にわたって期間按分で売上収益が認識されるのに対して、掲載期間が1年以内の広告商品に関しては、代理店に支払う販売手数料は広告受注のタイミングで認識されます。当第1四半期は、当第1四半期及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響が軽微であった前第4四半期までに受注した求人広告の売上収益を期間按分で計上していることに対して、販売手数料は採用需要減を受けて大きく減少しました。

今後は、企業クライアントの事業環境の改善とともに、人材採用需要の緩やかな回復を想定しています。しかしながら、人材紹介サービスでは、当社が紹介した候補者の入社時点に売上収益が計上される成果報酬型のため、経済活動が停滞した4-6月の採用需要の減少が、第2四半期以降の業績に影響を与えると考えています。

経営環境の先行き不透明感が強いため、新型コロナウイルス感染症の拡大状況等によっては、再び業績悪化の可能性もあり、引き続き動向を注視します。


Q9:
㈱リクルートによる家賃支援給付金の事務業務受託の背景及び財務影響は?

A9:
当社グループは、コロナ禍により、多くの中小企業や個人事業主の経営状況が悪化しているなか、少しでも早く給付金をお届けすることによってお役に立てるのではないかとの思いで、入札に参加し、受託しました。

当社グループはSaaSソリューション等、テクノロジーを駆使した業務・経営支援サービスを展開しており、その中でも代表的なAir ビジネスツールズを通じて、日本国内において中小企業の抱える様々な共通課題に積極的にアプローチし、それらを解決することを目指しています。

家賃支援給付金の事務業務受託による当第1四半期業績への影響は軽微でした。第2四半期以降は、給付金の一時的な預かりやコンソーシアム6社分の受託料の拝受等が発生するため、監査法人と会計処理を協議中です。


人材派遣事業

Q10:
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、企業クライアントからの需要が減少していると想定される中、今後は調整後EBITDAマージンの維持が難しくなるのではないか?

A10:
当社の人材派遣事業は、主に派遣就業の終了に伴い当社との雇用関係も終了する登録型派遣です。企業クライアントから頂く当社の人材派遣サービスに対する対価が当社の売上収益となり、派遣スタッフへ支払う給与等が売上原価に計上される収益モデルです。企業クライアントの派遣スタッフに対する需要が低下し、売上収益が減少すると、それにほぼ連動して売上原価も減少します。

当社の事業が主にこの収益モデルであることに加え、引き続きユニットマネジメントを推進することにより、昨今のように事業環境が厳しい中においても、多少の変動はあるものの一定の調整後EBITDAマージンを維持できるものと想定しています。


Q11:
同一労働同一賃金の法制化は、当第1四半期の国内派遣の業績にどのような影響を与えたのか?

A11:
派遣元均衡方式による派遣スタッフの待遇改善及び報酬体系見直しを実施し、ほぼ全ての企業クライアントからの費用負担増に対するご賛同を頂きました。これを受けて請求単価(派遣料金)及び支給単価(派遣スタッフの給与等)が上昇したことや、当第1四半期 が前年同期比で営業日数が2日多かったことが、当第1四半期の国内派遣の売上収益及び調整後EBITDAを増加させる主な要因となりました。

一方で、継続的に同制度に対応するため今後コストが増加する可能性があることや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け企業クライアントの動向は不透明感を増していることもあり、国内派遣の第2四半期以降の業績を見通すことが困難になっています。

6. 決算説明会音声

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