Menu
リクルートグループ

エキスパートから見たリクルートグループ

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

サンドラ・サッチャー

サンドラ・サッチャー(Sandra Sucher)

ハーバードビジネススクール教授

リクルートグループは創業以来、「人」を大切にしてきました。ビジネスの成功はそれを担う人材にかかっていると信じているからです。リクルートグループが他社と違うのは、どのような人材に仲間になって欲しいのか、その人材が活躍できる場をどうすれば作ることができるのか、はっきりと自覚していることです。それは創業者のこの言葉に象徴されているでしょう。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

リクルートグループの経営者は、世の中にはユニークな才能を持った人が多数存在し、その才能を開花させるのが経営の役割と考えています。ですから、各々の事業部や従業員にやることを指示したりアジェンダを押し付けたりするのではなく、主体性を高め成長を促すような問いかけをします。従業員が積極的にチャレンジしたり斬新なアイデアを模索するときはリスクが伴うことも知っています。だからこそ、経営者は従業員に、自分がどのように世界に貢献したいのか、どのような社会問題を解決したいのか、会社がそれをどうサポートできるのかを考えるよう促しているのです。誰もが新しいビジネスアイデアを提案し実行できるリクルートグループでは、従業員は自分が重要と思う課題解決に情熱を注ぐことにやりがいを感じます。

この根底にある信念は、終身雇用が社会的規範として未だ残る日本での事業においても、色濃く見ることができます。リクルートグループはキャリアの流動化を積極的に支援しています。従業員は常に新しい仕事にチャレンジし、自分が熱中できる対象を見つけることができます。またその情熱が外の仕事に向いたとしても、会社はその決断を尊重してくれます。リクルートグループが「誇れる出身企業」であることは、自由に動きまわりながら縛られない発想でイノベーションを起こしたい人材を、社内外から集めることに繋がるのです。

今後のリクルートグループの課題は、日々拡大し多様化する組織を支え続けることでしょう。これまでは、新しい事業ごとに現場が望むやり方を認めるアプローチをとってきました。組織に権限移譲し、最適な方法を選ばせるほうが、当事者のモチベーションが上がり、情熱が芽生え、成功する。この信念は日本での従業員マネジメントにも投影されています。主体性とガバナンスのトレードオフの中で、リクルートグループは主体性に賭けてきたのです。しかし今後は、規模と多様性が拡がるリクルートグループが、それぞれの現場から得た学びを全体のナレッジに昇華させるような、両取りの手法を見出すかもしれません。場合によっては、見出す必要性が高まることもあるでしょう。