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出木場 久征:HRテクノロジー(グローバルオンラインHR SBU)SBU長メッセージ FY2018

このインタビューは2017年統合報告書(2017年10月末発刊)に掲載されたものです。

We help people get jobs

仕事を得て働くことはバックグラウンドや文化、地域に関わらず、一人ひとりの人生において重要な要素のひとつです。しかし、ユーザーにとって就業機会を探し出す環境・状況は、世界各地で大きく異なります。特に発展途上国ではなかなか難しいものになります。さらに、ユーザーはしばしばオンラインやオフラインなどさまざまなツールを使って仕事を探す必要があり、その一方でクライアントはその仕事にふさわしい人材を見つけるのに苦労しています。

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出木場 久征 常務執行役員 兼 グローバルオンラインHR SBU SBU長 兼 Indeed, Inc. CEO

この問題意識は、以前旅行サイトを作るためにインドネシアのジャカルタに行った際に生まれました。ジャカルタでは都心部の交通渋滞がひどく、市内に入るには車1台に3人乗ってないといけないという法律を政府が作ったのです。その結果、「プロフェッショナルヒッチハイカー」という単に車に乗るだけでお金をもらえる仕事が生まれたのです。私が彼らに「もっとほかにいい仕事はないの?」と聞くと、彼らは本当は今の仕事とは別の仕事をやりたいけれども、どうやってその仕事を探したらいいかわからないという返事でした。この体験を経て私は、人々がもっと簡単に仕事を見つけることができるグローバルな求人サイトを作ることに興味を持つようになりました。仕事を得て働くことの重要性を考えると、これは追求する意義のあることだと感じたのです。

当時の私は求人業界の動向調査を行っていました。どの企業もクライアントにフォーカスするなかで、2004年に誕生した米国のオンライン求人サイト「Indeed」は他社とは全然違うということに気付いたのです。Indeedはユーザーのための仕事探しに完全にフォーカスしている唯一の会社でした。創業者たちは、人々が仕事を得るのを手助けするというミッションに情熱を傾けていました。Indeedのミッションは、時間がかかり、ストレスがたまり、分断されている仕事探しのプロセスを劇的にシンプルにすることです。すなわち、求人情報をひとつに集約し、ユーザーが自分たちに関係のある仕事を探しやすくすることです。私は2012年にIndeedに惚れ込みM&Aを進めました。

「Indeed」のアグリゲーション技術には2つの特徴があります。1つはアルゴリズムとマシンラーニングによるマッチング精度。もう1つは「キーワード」と「勤務地」という2つの検索窓があるだけのシンプルなインターフェース。この組み合わせは非常に強力で、最先端の技術を利用して、全ての仕事情報を一度に検索し、ユーザーにとって最も関連性の高い検索結果を提供します。この技術がIndeedの使命「We help people get jobs.」を実現しています。私は、このような革新的なシステムを開発した創業エンジニアは天才だと思います。初めてIndeedに出会った時から、その技術力は深く印象に残りました。私は彼らと一緒に、「Indeed」をコアにリクルートのグローバルなオンラインHR事業を推進していこうと決めました。

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データの力で徹底的な効率化を目指す

「Indeed」の強みは、ユーザーに対して最良の検索結果を届けるためのマシンラーニングにあります。AIの一種であるマシンラーニングという技術が「Indeed」の月間2億人以上のユニークビジター*2によって生成された大量のデータを取得し、ユーザーの行動パターンを特定し、この情報を使用してより関連性の高い検索結果を提供します。ユーザーが検索ボックスに入力するキーワードによって、毎日約25テラバイトのデータが生成されています。データ量が多いほど検索結果が向上し、検索結果が向上するとユーザーが増え、それにより「Indeed」は世界で最も訪問数の多い求人サイトとなりました*1。この好循環効果により、私たちはユーザーに対して他では得られない体験を提供するという独自の強みを持つまでになりました。

「Indeed」は、マシンラーニングで生成され分析された膨大なデータを求人広告だけではなく、HR業界の効率を向上することに役立つことができると信じています。HR業界のさまざまな分野では未だに手動に頼っており、自動化とイノベーションを通じて価値を生み出す大きなチャンスがあると考えています。

*1 出所: comScore訪問者数 2017年3月時点
*2 出所: GoogleAnalyticsユニークビジター数 2016年9月時点

アイデアを具現化し価値を届ける

「We help people get jobs.」というIndeedのコミットメントはオフラインの仕事探しにも広がっています。例えばIndeedは、「Job Spotter(ジョブスポッター)」というモバイルアプリを生み出しました。これは、多くのオフラインの求人情報をオンラインでも探せるようにすることを狙ったアプリケーションです。このアプリケーションで求人の張り紙を撮ると、まだオンライン情報にないとわかれば「Indeed」に掲載される仕組みです。求人情報を提供した方には、謝礼をお支払いします。「Job Spotter」は、ユーザーのためにあらゆる求人情報を「Indeed」のサイト上に掲載位することをいかに私たちが追求し続けているかを示す代表的な事例と言えます。これは勿論、私たちが新しいアイデアを試し、常識や固定概念に挑戦することが重要だと考えていることも示しています。

私たちはテクノロジーが人々の目標や夢の実現を手助けできると信じているので、この考え方を共有できる人たちと働き続けたいと思っています。そして、私たちIndeedのビジョンはテクノロジーの力を使ってユーザーにより良い解決策を世界レベルで提供することです。私たちはこのHR業界を引っ張っていけるよう、たゆまぬ努力をしていきます。

出木場 久征

常務執行役員 兼 グローバルオンラインHR SBU SBU長 兼 Indeed, Inc. CEO

1999年 4月

  • 株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)入社

2009年10月

  • カスタマーアクションプラットフォーム推進室 室長

2011年 4月

  • 全社WEB戦略室 室長 兼 CAP

  • カンパニーネットビジネス推進室 室長 兼 R&Dユニット ユニット長
    ※CAP:カスタマーアクションプラットフォーム= 旅行・飲食・美容・学びなどの日常消費領域

2012年 4月

  • 執行役員

2012年 9月

  • Indeed, Inc. Chairman

2012年10月

  • 株式会社リクルートホールディングス 執行役員

2013年10月

  • Indeed, Inc. CEO & President

2015年10月

  • Indeed, Inc. CEO(現任)

2016年 4月

  • 株式会社リクルートホールディングス 常務執行役員(現任)

  • グローバルオンラインHR SBU SBU長(現任)

2017年10月25日

※事業内容や所属などは記事発行時のものです。