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リクルートホールディングス

「WORK FIT」- 自分らしく生きるための第一歩を応援する若者向けプログラム

リクルートグループでは、企業理念である「一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」に向け、無償の就労応援プログラム「WORK FIT」を提供し、若者がその一歩を踏み出す支援をしています。 「WORK FIT」は、リクルートグループが人材領域で培ってきたノウハウを活かし、様々な方の就労と活躍を応援するプログラムです。若年無業者、児童養護施設、少年院、大学生、ママなど、対象者に合わせたてプログラムを実施し、これまで約3万人(2019年3月時点)の方が受講してきました。

今回、同プログラムを導入する東京都内の某定時制高校を訪れて、若者たちが抱える課題の実情や支援のヒントを探りました。

どんな境遇の子どもも、自分の意思で自由に人生を歩んでほしい

取材に応じてくれた約10名のクラスは、6割が東南アジアや中国籍で残りが日本人という構成です。高校の授業は夕方から始まるため、多くの生徒は日中のアルバイトを終えてから、学校に通学してきます。クラスの担任教諭は、生徒たちの状況をこう語ってくれました。

「日本人の生徒の状況として、一度も学校に行ったことがない、もしくは通学していたが不登校になってしまったという、集団生活に不慣れな生徒が多いです。外国籍の生徒は、先に来日していた保護者に続いて来日したケースが多いため、自分の意思で日本での生活を選んだわけではない。さまざまな背景を持つ生徒が在籍しています。」

授業内容そのものは一般的な高校と大きく変わりませんが、この学校では、生徒の将来を見据えて「WORK FIT」を導入していました。

「例えば外国籍の生徒の進路を考える場合に、母国へ戻り進学する、日本に残って就職する、さまざまな選択肢が考えられますが、全く予測できないところがあるのも事実で、不安な点も多いです。ですが、どのような進路選択をする場合であっても、人が自らのやりたいことや職業選択について考えるときに、これまでの自分について振り返って、自分のことを認知するということは、主体的に行動していくために大切なことではないかと考えます。そのための機会として、「WORK FIT」プログラムはその助けになると思います。」

不得意を気にするより、得意をどんどん伸ばしてもらいたい

実際に展開される「WORK FIT」のプログラムは、グループワークを中心として、受講者同士それぞれの「可能性」を引き出しあうように工夫されています。

今回の若者向けのプログラムは、自分の強みとその活かし方を言語にしてみて、自分でクラスメイトに発表して、みんなからフィードバックをもらうワークになります。

具体的には、自分の強みが発揮された経験や出来事をひとつひとつ思い出しながら、対人力・対自己力・対課題力の3つのカテゴリーにおける「強みキーワード」を使って整理し、1分間スピーチの形でクラスメイトに発表します。そのあとスピーチを聞いたクラスメイトから、本人では気づかなかった強みを、直接その場で本人に教えてもらいます。

小グループに分かれてワークをおこない、他の人から客観的かつポジティブなフィードバックがもらえることで、新たな自分の強みが発見できて、自己肯定感も高めることができることが、このプログラムの大きな特長です。

今回、プログラムを進行されたのは、13年以上に渡ってキャリア育成支援を行ってきたファシリテーターの星加武史氏です。話をお聞きしました。

「これまで、就職前の学生や新入社員に向けて支援してきましたが、多くの若者が "自分は何をしたいのか?"とか"自分は社会でやっていけるのだろうか?"という漠然とした不安を抱えています。自分には良い部分がないという認識のまま、社会人としてスタートする方が多いのです。ですから、仲間の力を借りて自分の強みを見つけることで、"自分は社会でやっていけるかも"、と思う機会はとても重要です。」

同時に、不安や恐れ、怒りといったネガティブな感情も隠さずに表現することや、多様な個性を受け入れあい、活かし合う大切さも伝えたかったといいます。

「日本では、学校の試験のようにひとつの物差しで測ることが多いので、正解となるものをクリアできなかったときに、自分はダメだという思い込みが強くなることがある。減点主義であることが多く、苦手なものを克服しなければ得意なものを伸ばしてはいけない、という傾向があるように感じますね。そうじゃなく、長所に意識を向けて、どんどん自分の良いところを伸ばすことが大切なんだ、ということを私は伝えたいんです。
自分らしく生きることが可能になってきた時代だと思うし、枠に収まる必要はない、逆に収まっていたらダメな時代になる。一人ひとりの持っているものに本人達が気づいて、それを育むことが、社会でやっていく力になる。そんな感覚を掴んで欲しいと思っています」

自己理解を深めることで、自信が生まれる

「WORK FIT」プログラムの模様

今回、生徒たちは、ワーク前とワーク後の計2回、自分の強みについてスピーチを実施しています。

1回目の発表をした後、グループのメンバーに言われて嬉しかったポイントに◎を、言われて意外だったポイントに☆を付けて振り返る。そのあとに2回目の発表がやってきます。すると、1回目のとき自信なさそうに話していた生徒が、お互いのことを理解した後には、メンバーの目を見ながら堂々と話せるほど大きな変化が生まれていたことを目の当たりにしました。

クラスの担任教諭も、今回のプログラムに手応えを感じたといいます。

「これまでの取り組みの中で、生徒が自分事として捉えられるかどうかによって、取り組む姿勢が異なってくるところを見てきました。
でも今回は、自分自身のことを相手に伝える内容だったので、生徒も自分事として捉えることができたと思います。きちんと振り返って考えた自分のことを仲間が聞いてくれて認めてくれたという経験は、きっと自信につながると思います。
今後も戸惑ったり悩んだりすることもあるでしょうが、生徒には自分が選んだ道を前向きに楽しみながら取り組んでいってほしいです」

誰もが自分らしく活躍できる社会へ

プログラム終了後、ファシリテーターの星加氏はこう語りました。

「あらためて「WORK FIT」の意義を言葉で表すと、どんな仕事・職業に就くかという前に、本来の自分を取り戻して、自分は自分だったんだと発見していく機会だと思います。ワークに乗っかって、まずは自分で自分の強みを見つけてみる。他の生徒からフィードバックをもらって嬉しそうな顔をしている生徒がたくさんいたので、良かったです」

担任の教師もこう振り返ります。

「仲間からのアドバイスにより自分らしさや強みを認識し、自己肯定感を高めることができたんじゃないでしょうか。「WORK FIT」は、一人ひとりの可能性を信じ続けるという価値観を大事にしているんだなと改めて感じました」

少子高齢化による労働人口の減少が進む日本。企業の人手不足が深刻化する中、女性やシニア、外国人、障がい者など、様々な立場からの社会進出に注目が集まり、一人ひとりがイキイキと自分らしく働く社会の実現が求められています。

その中でも、人と接することが苦手、自分に適した仕事が見つからない、そもそも何から始めていいのかわからない、自分に自信がもてない。こんなことに端を発した若者の就労問題は、いまや社会問題の一つとされています。 リクルートの取り組みが、こんな社会問題解決の一助となれば幸いです。